「ハボック少尉―――――!!!」


「あ、姫さん」


ぎゅうっ


「久しぶり!!」








LEADY STEADY GO →20『愛のかたち。』






「しっかし、ホントにエドワードと一緒だったんッスね」

「そうだよ。もー大変で大変で!」

固い抱擁をとくと、はアハハ、と軽く笑いながら言った。

「私が不在の間、何か変わった事件は?」

「いや、特には?」

「そう、平和でいいわね。東部は・・・ここらへんは」

「・・何かあったんですか?」

ハボックがたずねる。はうーんと首を捻った。

「いうならば・・・」

「言うならば?」

「外道神父に腐れ中尉ってかんじかな。
 もうヤになっちゃった
 ヤル気萎えー!ってカンジ。」

「もともとヤル気ないでしょうに」

ハボックは溜め息をつきながら言う。
は少し驚いたような、おどけたような顔で言う。

「だって、あんまりケガしたくないんだもん。」

「・・・・・ああ、大佐」

「そう、ロイ」

ハボックは煙草をくわえなおして笑う。

「あの人も大概過保護ですからね」

「もう夜1人で泣いてる8つの子供でも、子供っぽい嫉妬でロイに迷惑かける13歳の女の子でもないのにね。
 大体、彼は上司を何だと思ってるのかしら。」

「それでも」

ハボックはゴツゴツした大きな手をの頭にのせ、くしゃりと撫でた。

「まだまだ姫さんは可愛い可愛いお姫さんッスよ。
 中尉・・・いやいや。女王様には遠く及ばないッスよ」

「ああっ!もう!上司の頭をなでるな!
 っていうか、女王様!?中尉って女王様!?

「ははは、あんまり大佐に心配かけないでくださいよ。
 大佐は姫さんの事大好きッスからね
 それに、あまりに大佐が心配しすぎて仕事が手につかなくなると
 中尉が大変なんスから」

「そうだよね!うんうん。中尉には迷惑かけられないもん。
 しっかりしなきゃ!!」

ぐっとにぎる。
いつも思うけど。

「ハボック少尉って、いやし系だよね」

「は」

目が点。

とはこのことを言うのだろう。
そのまま固まっている。

「い・・・やし系?」

「そう。」

「いやしい系でなく?」

「いや、なんで自分で言っちゃうかな」

ハボックは深く溜め息をつく。

「いや、ホント、俺姫さんがわかんないッス」

「だって、癒されるんだもん。少尉に。
 なんてゆうのかなー。
 こう、心が広いっていうか、なんでも受け止めてくれそうって言うか?」

近所のお兄さんレベルか。

「大佐は?」

「だめだよ。心狭くって。
 そもそも被過保護者が過保護者に癒されるわけないでしょ」

「それも愛の形ッスよ」

「やめてよ、もう。
 ロイを犯罪者にするつもり?」

「分かっていってるから怖いッスね」


さん、さん、司令室に至急きてください』



「ほら姫さん。過保護者からお呼び出し」

「むか−!!!少しは自由にさせぃっ!!
 ・・・・じゃ、あとでね。エド迎えに行くとき、おいてったらやだよ?」


が不安げに微笑む。
こうしていれば、ただの可愛らしい女の子なのに。


「わかってるって。ほら、急いで行ってきな」


たまらない。

これだから少女と女性の境目は、あぶなっかしくて見ていられない。


「また可愛くなりやがって」




『いつか彼女が大佐から旅立つとき、俺がそばにいられたらいいのに。』









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