「え?、弟がいんの?」


駅から司令部に行くジープのなかで、ふと、そんな話題になった。


「うん。年子のね。すごく可愛かったの」


気づかなかった。
その時の言葉、過去形だったなんて。




LEADY STEADY GO →18『兄の苦悩』





ー」

「何ー?」

の家って、イーストシティにあるって本当か?」

の肩がピクリと上がる。
ゆっくりと振り向いたその顔は、貼り付けたような笑顔だ。


「ナイヨ。」

「ないのか?」

「ナイデスヨ。」

「じゃあなんでカタコトなんだ?」

「ソンナコトナイヨ。」


AHAHAHAHAとまるでアルファベットで笑う。
おまえ・・・そうゆうキャラだったか?


「ナイッスヨ」


明らかに隠している。
そういえばは俺やアルについて色々なことをなぜか知っているけど、
俺ら、の素性について、何一つ知らないな。

どんな家でそだったのか?
どんな両親に教育されたのか?
どんな兄弟がいたのか?

どんな経緯で軍に入ったりしたのか?
どんな仕事をしているのか?
どんな地位についているのか?


「・・・エドには、しってほしくないの。アルにも」

溜め息をつくように言う
俺はカチンときた。

「なっんだよソレ!
 は俺らの事何でも知ってるくせに、
 俺らはのこと何一つ知らないんだぜ!?」

「知らないほうが、いいよ」

間髪いれずにがそういった。
その眼はやけに冷静で、の中の別人を見たような感じがした。


「さっき、イーストシティに家がないっていったのは、嘘。
 あることにはあるわ。
 でも、私が今住んでいるのは、ロイの家だから。
 エドにいえるのは、それしかない。
 ・・・・これ以上しったら、きっとエドは後悔するよ」

「・・・・大佐の家に?」

「うん。ロイの家に。ああ、今夜遊びにきてよ。
 夕飯ぐらい、ご馳走するよ」

「ああ、サンキュ、じゃなくって、それってどうゆう・・」




「ロイはね。私がこうしてここにいられる理由」




そういって笑った笑顔は、今まで見た笑顔のなかで、一番切ない笑顔だった。
臥せった睫毛がえらく長い。
少し開いた、物言いたげな唇が涙みたいに光った。



『どうして』



そういいそうになって、口をつぐんだ。


泣きそうだったから、あの気丈なが。


「あ、エド、もうすぐだよ。司令部!」
















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