「なんでわたし、こんなとこにいんのかな。」
天上の高い食堂の、豪華な食事を前に、が隣にすわっているエドワードに話し掛けた。
「・・・オレの連れだから。」
エドワードは黙々と食事を食べながら、言った。
「・・・アルは?」
「あいつなら大丈夫だろ。」
「・・・私も大丈夫なのに。」
は自分の手の中にある、軍章を見つめた。
青の布地に、細いラインが2本、その間に太いラインが1本、そして星が1つついた、それは地位をあらわすもの。
L
EADY STEADY GO →10『ヨキ邸の夜。』
はっきりいって、はヨキとエドの話をちっとも聞いちゃいなかった。
否、聞きたくなかった。
それは大人の世界の話だ。
税を搾り取り、自分の出世のために使う。人を人とも思わない。
エドワードがそんな話に同意してるのを、(もちろん演技だとは分かったが)見たくなかった。
「では、ごゆっくりお休みください」
「どーも」
「ありがとうございます」
ご自由にお使いください、と言われ、
細かいところにまで装飾のされた扉の前に案内される。
「金って、あるところにはあるのよね。家が懐かしいわ ・・・って、一部屋?しかもダブル?」
「なっ!何考えてるんだって!アイツはー!!」
エドが顔を赤くして怒る。
「しょうがないよ。文句言うのもアレだし、狭くても我慢我慢
それに、ベッドが一緒ってトコとアルが居ないってトコ以外はいつもとかわらないでしょ。」
あはは、とは苦笑する。
エドはがくっと崩れた。
「(・・・いや、そこが
最
重要だろーが・・・)」
「ん?入んないの?」
はさっさと布団に入って横をぽんぽんと叩く。
「あ・・・のな・・・・?」
「ほら!はーやーくー!寒いでしょー!」
「わ・・悪ぃ!」
なんだか癪だが、ついあやまってしまった。
しょうがなく、エドワードは布団の中に入った。
「・・・ね、エド?」
の声が小さく聞こえる。
「・・・んだよ?」
「ホントに、等価交換って思ってる?」
「・・・お前はどう思うんだよ」
「こんなの、等価交換じゃないよ。
同じ軍人として、恥ずかしいよ・・・・」
だんだんかすれていくの言葉に、エドワードは小さく頷いた。
「・・・ん、そういや、って軍人だろ?
なんでこんなに長い間休暇とってられるんだ・・・?」
「・・・・」
「?」
「・・・・
くかー
」
「ねてんのかい!」
この日最後のエドワードのつっこみが冴え渡った。
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