「なにやってんの。エド?」
電話を終えたが見たのは、青い練成の光だった。
L
EADY STEADY GO →8『国家錬金術師の欠点』
「ああ、なるほど。ツルハシをね?」
新品同様になったツルハシを前に、が勝手に1人で納得した。
つまりは錬金術で壊れたツルハシをなおしていたらしい。
「よぉ!何してたんだー?」
錬金術がウケて上機嫌なエドが笑いながらに言う。
「電話してたのー。そういえば代金はどうなったの?」
が聞くと、店主はニコッと笑った。
「術師のよしみで代金サービスしとくぜ」
「やった!」
「大まけにまけて
10万
」
「
まだ高いよっ!!
」
確かに、と頷きつつ、運ばれてきた料理を食べるためにがアルの隣の席に腰を降ろした。
「そういや名前きいてなかったな」
「あ、そうだっけ」
「エドワード・エルリック」
一瞬、店主の顔が笑顔のまま固まったように見えた。
さっ
がちっ
食事に届くはずだったエドワードのフォークとナイフが、テーブルに刺さった。
店主の笑顔が怖い。
「錬金術師のエルリックっていったら
国家錬金術師の?
」
周りに居る人々も笑顔のまま固まったのをは見逃さなかった。
「・・・・・・まあ、一応・・・・・・」
さっ
「なんなんだよ、いったい!」
エドワードが怒ったように言った。
「出てけ!」
ぺっ
次の瞬間、エドワードとアルフォンスは店の外へ吐き出されていた。
さすがのエドワードも困ったように、怒ったように言った。
「こらー!!オレたちゃ客だぞ!!」
「か――ぺぺぺっ!!軍の犬にくれてやるメシも寝床も無いわい!!」
(ご亭主も芸が細かいなぁ)
そんなことを思いつつ、は、何事もなかったかのように、食事を頬張っている。
自分の正体は明かさないほうが懸命と考えたのだろう。
軍人だなんて知られた暁には、エドワードたちの二の舞になりかねない。
「あ、ボクは一般人でーす。国家なんたらじゃありませーん」
アルフォンスが言う。
「おおそうか!よし入れ!」
「裏切り者っ!!」
エドワードの悲しい叫び声だけが、夜の炭坑にこだました。
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